奈良国立博物館の概要
奈良国立博物館は奈良公園内の一角にあり、東大寺、興福寺、春日大社などに隣接している国立博物館です。
奈良国立博物館では、仏教美術を中心とした多くの文化財の収集、保管、展示が行われています。なら仏像館、青銅器館などでは平常展である名品展を行っており、東新館・西新館では正倉院展や特別展などが開催されています。毎年秋には「正倉院展」が開催されています。
「第70回正倉院展」
秋の風物詩ともいわれる正倉院展。平日の最終日にも関わらず長い行列が出来ていました。約9000件を数える正倉院宝物の中から、北倉10件、中倉16件、南倉27件聖語蔵3件の合わせて56件の宝物を目の前で見る事が出来て良かったです。そのうち10件は初出陣だとか。一度公開された宝物は、10年以上出陣されないという貴重な体験が出来た事嬉しく思っています。
「第70回正倉院展」では聖武天皇ゆかりの華麗な宝物、身近な素材である麻を用いた様々な宝物、新羅に関わる宝物などが展示され、平成最後に「正倉院展」を秋の奈良で楽しむ事が出来て本当に良かったと思っています。
聖武天皇・光明皇后のくらしコーナー
「平螺鈿背八角鏡」
最初に展示されていました。螺鈿で飾られた煌びやかな鏡は見事な宝物・美術品で気品が漂っていいました。中国・唐からの請来品だという鏡は、白いところが夜行貝螺鈿、赤い部分は琥珀、青いラピスラズリーに水色のトルコ石など、世界各地で集められた貴重な素材で作られた見事な鏡でした。とても精巧で繊細で、今でも輝いている素晴らしい美術品。その美しさに魅せられてしまいました。
「繍線鞋 (ぬいのせんがい)」
日本にない黄麻が使われている繍線鞋は、爪先に刺繍飾りがあり、貴婦人の室内履として使われていたそうで、素敵で可愛らしい履物でした。中国の歴史書に「唐の女性は軽くて便利な線鞋を好んで履いている」と書いてあることから、きっと光明皇后も履いていたのだろうか。おしゃれを爪先まで楽しむ女性の遊び心に親近感が湧きました。なんだか愛おしくなりました。
奈良時代の法会と供養コーナー
「玳瑁螺鈿八角箱 (たいまいらでんはっかくのはこ)」
チケットにも写真があった「玳瑁螺鈿八角箱 」。仏様へのお供えを入れた箱と云われ、螺鈿で飾られた鳥や植物は煌びやかで眩しいほど光を放っていました。八角形の形がとても愛らしく、どこか洋風にも見える素敵な箱でした。万華鏡に中の世界を見るようで、たいまいなど自然界にあるもので細工された「玳瑁螺鈿八角箱」はまるで宝石そのものでした。古代の素晴らしい感性に感動しました。
「沈香木画箱」
四角い木箱の、「面全て」がとても精緻な細工が施されている工芸品「沈香木画箱」は豪奢で素晴らしかった。象牙やたいまい、沈香、犀角などといった」珍材をふんだんに使った箱はもはや宝箱。思わず目を凝らして見てしまいました。
奈良時代の音楽と舞踊コーナー
珍しい緑・黄・白、三彩の陶磁器の鼓の胴「磁鼓」。胴はキリ材製、龍角はケヤキ材製で作られている「新羅琴」。朝鮮半島に起源する楽器で奈良時代に使っていた古代楽器を間近で見る事が出来て良かったです。
新羅の交易コーナー
「白銅剪子」がどんな欠片も捨てることなく完璧な状態で保存されていた姿に感動しました。
仏教の荘厳コーナー
光明皇后が発願した写経も展示されていました。光明皇后の仏教への強い思いを感じるようでした。
奈良時代の文書コーナー
豊前国の戸籍や越前国の徴税基本台帳などの奈良時代の社会や生活の実相を伝える正倉院古文書なども展示してあり、多彩な宝物がいかに大切に伝えられたかよく分かりました。聖武天皇の仏教への帰依を象徴するような品々。長い歴史の中で継承してきた正倉院宝物という稀有な遺産の存在に驚くと同時に宝物を通して活発な国際交流や、高度な技法で作られた宝物を実際に見る機会があったこととても嬉しく思っています。
会場
奈良国立博物館 東新館・西新館
開催期間
平成30年10月27日(土)~11月12日(月) 全17日
開館時間
午前9時~午後6時
観覧料金
- 一般 平日1,100円 前売り 1,000円
- 高校生大学生 平日 700円 前売り 600円
- 小学生・中学生平日 400円 前売り 300円
住所
奈良県奈良市登大路町50
アクセス
- 近鉄奈良駅下車 登大路を東へ徒歩約15分
- R奈良駅または近鉄奈良駅から市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ
- 近鉄奈良駅からぐるっとバス(奈良公園ルート、大宮通りルート)「氷室神社・国立博物館」すぐ
- JR奈良駅からぐるっとバス(奈良公園ルート)「氷室神社・国立博物館」すぐ
- 関西国際空港からリムジンバスJR奈良駅行き「近鉄奈良駅」バス停下車 徒歩約15分
- 大阪国際空港からリムジンバス奈良/天理行き「近鉄奈良駅」バス停下車 徒歩約15分
周辺のおすすめスポット
奈良国立博物館は奈良公園内の一角にありました。広大な奈良公園には、世界最大級の大仏で知られる東大寺、五重塔がそびえる興福寺、朱の社殿鮮やかな春日大社など、世界遺産に指定された大寺社が点在し、豊かな緑の自然美と調和した歴史公園でした。東端にはなだらかな若草山が広がり、奈良のシンボル鹿と遊び秋の奈良を思いっきり満喫できました、
春日大社
全国に約1000社ある春日大社の総本山。鹿が神使とされ平成10年にユネスコ世界遺産として登録されています。朱塗の美しい神社でした。
興福寺
五重塔・三重塔・そして八角の北円堂・東金堂はいずれも国宝、とても見応えありました。
まとめ
- 奈良国立博物館は奈良公園内の一角にあり、東大寺、興福寺、春日大社などに隣接している国立博物館。
- 仏教美術を中心とした多くの文化財の収集、保管、展示が行われている。
- なら仏像館、青銅器館などでは平常展である名品展。
- 東新館・西新館では正倉院展や特別展などを開催。
- 毎年秋には「正倉院展」を開催。
- 「第70回正倉院展」では聖武天皇ゆかりの華麗な宝物、身近な素材である麻を用いた様々な宝物、新羅に関わる宝物などを展示。