下関市立美術館の魅力
情緒ある落ち着いた雰囲気の建物。様々な企画展が魅力的。
外観は広場や駐車場にも芸術的なオブジェがある。
美術館は城下町長府にあるので、長府庭園、毛利庭、功山寺など近辺に見所がたくさんある。
特別展「金澤翔子 書道展」の口コミ
チケットは迫力ある書を前に、女性らしさ溢れる金澤翔子さんの素敵な笑顔が写っている。館内は、彼女が書いた作品が、とても間近に展示してあり、書家・金澤翔子さんの世界を存分に味わう事が出来た。写真撮影もOK。
「蒼天」
一番目に目に入ったのは、「蒼天」という作品。彼女は超晴女らしく、揮毫の時はいつも蒼天の元で行われているそうだ。それもただ晴れるのではなく快晴だとか。寒い北国でも「こんな穏やかな日は稀だ」と言われているほど晴女とのこと。寺社仏閣での野外の揮毫でも雨に当たられたことはないという。前日まで降っていても、書く時には止む。金澤翔子さんの「蒼天」にパワーを頂き、前向きに頑張ろうと元気をもらうことが出来る。
「共に生きる」「心に光りを」
「お母様が好きだから、お母様のところに生まれてきたの」という彼女の言葉。この、けがれのない言葉は、真実であり、母親を選んで生まれてくるという、古くからの噂は本当なのかも知れないと、気付いていく母・泰子さん。
ダウン症の翔子さんを授かって本当に幸せだと思うまでの母・泰子さんの悩んだ数々は相当なものだったのだろう。生まれてくる子がダウン症であることに同意して、二人の合意のもとに母娘として、この世で結ばれた二人。親子として、娘翔子さんへの愛情は深く、そして深い絆で結ばれているのが、この書を通して伝わる。
母と娘翔子との深い愛情と絆は、この書の中に詰まっているようで、心温かくなった。そして勇気ももらえる。
「10歳般若心経」「30歳般若心経」
10歳なりに母の教えのもと、精一杯、全神経集中して、般若心経に挑んだ10歳の金澤翔子さんの作品と、20年という時間を経て、30歳になった金澤翔子さんの作品。どちらも成長の重さ、趣の深さは違っているものの、共に魂を感じ心打たれる。
20年という長い月日の間、ずっと書と真剣に取り組んでいった金澤翔子さんの弛まぬ努力の賜物と人としての成長を、二つの「般若心経」を通して見ることが出来る。
「不死鳥」
何度も間違えて、何度も泣いた日日。でもお母様が教えてくれたので、ちゃんと最期まで書いていたという翔子さん。そしてお母様に「生んでくれて有難う」という言葉を決して忘れない翔子さん。400人を越す会場で、テーマに沿って志を伝えた翔子さん。世界一幸せだよと思うお母さん。翔子さんの一人暮らしが始まったころのこと。素敵な母娘に感動。
「平清盛」
NHKドラマ2012年「平清盛」の題字を書くことになった。書家として、金澤翔子さんが世界へ羽ばたくきっかけとなった作品。
「無一物中無尽蔵」
社会の仕組みが分からないので、世俗への欲望が全くない。お金も名声も何もいらない。翔子は持っているもの全てを、他の人にあげ、自分を捨てて、皆の幸せな姿を見て幸せになれる。
「涙」「虹」光」「母」「一期一曾」など30点が展示されている。重厚感溢れる作品から、繊細な表現のものまで、様々な作品に出会ことが出来る。どの作品も母・泰子さんと共に歩んでいった、金澤翔子さんの魂がこもった作品で、魅了される。
金澤翔子さんの今まで歩んできた人生のパネルも展示してあり、公演のビデオも流れ、お母様に宛てたハガキ、一人暮らしの部屋の写真など彼女の素顔まで見ることが出来る。
建仁寺、東大寺、厳島神社を始め、全国各地で個展や奉納揮毫を開催するなど大活躍の金澤翔子さんの素晴らしい作品を間近で、この目で見る機会が出来たこと嬉しく思う。感動の特別展。
特別展覧展会概要
- 特別展: 「金澤翔子 書道展」
- 開期: 2019年10月2日(水曜日)~10月20日(日曜日)
- 開館時間: 午前9時30分~午後5時
- 休館日: 10月7日(水曜日)
- 会場: 下関市立美術館 第4展示室・光庭 (美術館1階)
- 観覧料: 一般900円 大学生720円
※18歳以下、高等学校、中等教育学校、特別支援学校在学の生徒は無料
※下関市在住の方で65歳以上の方は半額
所蔵品展
- 開館時間: 午前9時30分~午後5時
- 休館日: 祝日以外の月曜日
- 観覧料: 一般210円 大学生100円
所蔵品展では「海峡、交差するまち・下関の作家たち1」を開催、下関にゆかりのある近世の文人たちや藩政時代の絵師たち、近代美術の立役者となった狩野芳崖から現代の作家たちまでの作品を展示。
住所
山口県下関市長府黒門東町1-1
アクセス(行き方)
- JR下関駅(東口)発
バス 長府・小月・宇部中央・美祢駅方面行き(所要時間約20分)→バス停「市立美術館前」下車。徒歩1分 - JR長府駅 発
バス 「長府駅前」(国道2号線沿い)又は「長府駅」(駅ロータリー内)→「下関駅」行き又は「市民病院」行き (所要時間約15分) - 下関IC
「下関市街」~「壇ノ浦」方面へと進み、国道9号線合流点を長府方面へ、合流点から、約5キロ(関門医療センターの向かい)
駐車場
約220台(無料)
バリアフリー
- 貸し出し用車椅子有り
- 多目的トイレ有り
- エレベーター有り
食事
エッグカフェ下関、アンティーク&オールディーズ等のカフェランチのお店がある。
まとめ
- 情緒ある落ち着いた雰囲気の建物。様々な企画展が魅力的。
- 長府庭園、毛利庭、功山寺など近辺に見所がたくさんある。
- 特別展「金澤翔子 書道展」(2019年10月2日~20日)は、勇気をもらえる感動の書道展。
- 所蔵品展では「海峡、交差するまち・下関の作家たち1」は、下関にゆかりのある近世の文人たちや藩政時代の絵師たち、近代美術の立役者となった狩野芳崖から現代の作家たちまでの作品を展示。